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ハローフレンズ 2011年2月号

外国人サポートの現場から(1)

永住資格がとれたら次は「帰化」?!
日本に住み続けるためのゴールは

行政書士
藤林 美穂

 ふじみの国際交流センターでは、日本に来てから、さまざまな理由で困りごとをかかえておられる外国籍の方々のサポートを行っていますが、そうした現場でどのようなことが起きているか、センターのボランティアスタッフでもある行政書士の藤林美穂さんと、センタースタッフとで紹介していきたいと思います。



 フィリピン国籍のCさんから、「帰化したい」という相談を受けました。彼女は日本在住23年、「永住」の在留資格を持っている英語の先生です。
 「帰化」とは、外国籍の人がもとの国籍を捨てて日本国籍をとること。外国人が日本に来て暮らす場合、まず来日直後は通常1年ごとに入管に在留資格(俗にいう「ビザ」)の更新に行かなければなりません。日本での生活にも慣れてきて、安定してきたとみなされると、今度は3年の在留許可をもらえます。3年許可がおりると、次なる目標は「永住」です。在留資格によって永住申請できるまでの滞在年数はさまざまですが、現在3年の許可が出ていることが申請のための第一条件です。
 この「永住」の申請は、外国人にとって日本で生活していく上での大きな節目といえます。永住者になれば住宅ローンも組めるし、面倒な入管に行く回数が減るし、いろいろ負担が軽くなります。みんな永住申請できる日を指折り数えて待っているのです。ですから私は、永住資格は在日外国人にとって、「すごろく」の上がりのようなものだと思っていたのですが、Cさんにとっては、さらにその次に「帰化」があるというイメージのようです。
 帰化手続のために法務局に提出しなければならない書類はとても多く、また審査の中で日本語の読み書き能力もチェックされるので、なかなかハードルが高いものですが、Cさんのほかにも、帰化したいということで相談してくる人は結構います。帰化したい理由はそれぞれですが、やはり日本で暮らしていくのには、「外国籍」であるのと「日本国籍」であるのとでは大きな違いがあり、日常的に不便を感じている在日外国人が「ええい!それなら日本国籍をとってやる!」と考えるのも無理のないことです。
 日本人が日本で普通に暮らしている限り、日本の社会制度は空気のように当然で、私たちはそれによって守られていることにさえ気づきませんが、それらの制度は在日外国人を同じように守ってくれるものではありません。在日外国人は自分の身を守るための制度を自らの努力でなんとか手に入れなければならず、「3年許可がおりたら永住を、永住がとれたら今度は帰化を」というステップアップ作戦はその現れなのでしょう。
 首尾よく帰化できたとしても、日本社会の中で出自や外見を理由に差別を受ける可能性は残ります。しかし日本国籍を取れれば、少なくとも制度上の差別を受けることはなくなります。日本での生活をより安心なものにしていくために、「帰化したい」という人はこれからも増えていくと思います。


●筆者紹介
NGOで働いたり、フィリピン人支援団体でボランティアしたりした後、行政書士開業。毎日いろいろな国から来たいろいろな人の話を聞いて、「在日外国人」の多様性に、びっくりすることの連続です。
ライフ行政書士事務所

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