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「ハローフレンズ」 2009年2月号

入管法ひとくちノート(1)

働けるビザ、働けないビザ
経済悪化で仕事を失う外国籍市民も多い

行政書士
藤林 美穂

 このところの経済の悪化で、日本人だけではなく在日外国人も仕事を失っている、というニュースが報じられています。こうしたニュースで取り上げられるのは、日系ブラジル人が多いですが、なぜだかわかりますか? 
 日本で暮らす一般の外国籍の人たちの在留資格には、おおざっぱに分けて3つのカテゴリーがあります。いわゆる就労系、身分系とその他です(厳密にはその他のカテゴリーもあり、それぞれがもっと細かくわかれる)。ポイントは、その人が働けるか働けないか、ということです。「身分系」は結婚や出生などによって日本人との家族関係がある(あった)人、永住者とその家族などが含まれるカテゴリーです。その他には、留学生や研修生、短期滞在などが含まれます。では「就労系」は? 名前だけ見ると、「働けるビザ」ということのようですよね。ところが、実際には就労系は身分系に比べ、できる仕事が厳しく制限されているのです(ちなみに、留学生や短期滞在の在留資格の人は、まったく働けないか、あるいは働く場が非常に制限されています)。
 「就労系」の場合、従事する職業によって、「人文知識・国際業務」「技術」「技能」「投資・経営」…などに分類されており、それぞれの在留資格を得るために必要な条件(学歴、職務経験など)は異なっています。
 たとえば外国人留学生が日本の会社に就職する場合、入国管理局で「この学校でこういう勉強をし、この会社に入社が決まっています。『人文知識・国際業務』(理系の学生なら『技術』)の在留資格をください」という申請をします。また、コックさんが日本に来て働く場合には、「技能」の在留資格を申請しますが、中国で修行した中国人コックなら中華料理店で働かなければならず、インド料理店ではダメです(「技能」の中にも細かい分類がある)。つまり一旦就労系の中のひとつの在留資格がとれたら、その資格の狭い範囲内での仕事しかできないのです。
 もうひとつ大きな特徴として、この「就労系」で列挙されている業種の中には「単純労働」は含まれていないということがあります。
 一方で「身分系」は就業について制限はありません。社長業も、単純労働もありです。冒頭でお話した日系人(ブラジル、ペルーなど)については、1990年に入管法改正があった際、日本人の子孫であることを条件に、2世、3世とその家族は「日本人の配偶者等」や「定住者」の在留資格で入国できることになりました。これらは身分系の在留資格なので、工場のラインでの組み立て作業などの単純労働にも就けるわけです。今回の経済悪化で、一番影響を受けている製造業での日系ブラジル人大量解雇の背景には、こうした事情があります。そもそもこの法改正は産業界の要請に応えて人手不足解消のために行われたものですが、経済状況が悪化した時に、呼び寄せた働き手の暮らしをどうするか、という視点はそこにはありません。家族で日本に移住して働いてきた人たちはこれからどうなるのでしょうか。


●筆者紹介
NGOで働いたり、フィリピン人支援団体でボランティアしたりした後、行政書士開業。毎日いろいろな国から来たいろいろな人の話を聞いて、「在日外国人」の多様性に、びっくりすることの連続です。
ライフ行政書士事務所

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