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「ハローフレンズ」 2009年12月号

入管法ひとくちノート(6)

「外国人登録カード」とは
外国籍市民の戸籍であり住民票

行政書士
藤林 美穂

 「外国人登録カード」を実際に見たことのある方はどれくらいいるでしょうか。これ、日本に暮らす外国人なら外出時も必ず携帯しなければならないものなのです。プラスチックのカードに、顔写真と、在留資格や住所、生年月日、日本への入国年月日などが書き込まれています。警察に職務質問されてこれを持っていなかったりすると最悪の場合、「ちょっと署へ来てもらおうか」ということになりかねず、また法律上は「20万円以下の罰金」となっています。厳しいですね。
 外国人が日本に入国する時、90日以上滞在する場合は必ず市区町村役場で外国人登録をしなければなりません。たとえ在留資格のないオーバーステイの人でも本来は登録が義務になっています。行政は、この登録情報によって地域の外国人住民数を把握しています。つまり、そもそも外国人登録は、行政が外国人を管理するためのものです。
 外国人登録するとカードが交付されます。在日外国人には戸籍や住民票はないので、身分証明が必要な場合は、このカードのコピーをとるか、あるいは役場で「外国人登録原票記載事項証明書(外国人登録証)」という書類を発行してもらうことになります。外国人の在留資格はその在留期間に応じて1年あるいは3年ごとに「更新」手続をしますが、それとは別にこの外国人登録は5年あるいは7年ごとに登録更新をします。
 一見この外国人登録は市区町村役場が管轄しているように見えますが、実際には役場で登録した情報は、すべて入国管理局にも送られています。オーバーステイの人が外国人登録すると情報が入管に送られ、ある日「入管に出頭しなさい」という呼び出し状が来る、ということもあります(登録したら必ず来る、というわけではない)。オーバーステイの人が入管にみつかるリスクをおかしてでも外国人登録するのは、日本で生活する上で身分証明が何もないといろいろ困ることがあるからです。
 たとえば、就職する時や婚姻届を出す時、住まいを借りる時、そして在留資格の更新・変更をする時など、さまざまな場面で外国人は外国人登録証の提示を求められます。前述したように、日本人なら必ず戸籍・住民票というものがあり、それによって身分証明もし、行政からは管理されているわけですが、外国人の場合はそれが外国人登録ということです。
 外国人登録カードを見ると持ち主のだいたいの状況がわかるので、在留についての相談を受ける場合には必ずチェックします。裏面も手書きで変更事項が書いてあるので、要チェックです。毎回このカードを見るたびに、こんな小さなカードによくこれだけ個人情報を詰め込んでいるなあと感心してしまいます。逆に言えばカードを落としたりするといろいろ悪用されてしまう可能性もあるわけで、それを常時携帯するのはかなりストレスだろうと想像します。外国人に限らず、毎日のように「身分確認」させられる現代社会では、しかたないことなのかも知れませんが…。


●筆者紹介
NGOで働いたり、フィリピン人支援団体でボランティアしたりした後、行政書士開業。毎日いろいろな国から来たいろいろな人の話を聞いて、「在日外国人」の多様性に、びっくりすることの連続です。
ライフ行政書士事務所

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