中国人やフィリピン人の女性から多く寄せられる相談のひとつに、「連れ子の呼び寄せ」があります。現在は日本で、日本人あるいは在日外国人と結婚している外国人が、母国に残してきた子どもを日本に呼び寄せて一緒に暮らしたい、そのための手続をしてほしい、という相談です。この場合、呼び寄せる子の実の父親はすでに母親とは離婚しているか、あるいは最初から結婚していないことが多く、母国の家族(相談者の両親・きょうだいなど)が子の面倒を見ているケースがほとんどです。
呼び寄せる側のお母さんが、シングルマザーである場合もあります。たとえば、日本人と結婚していたが離婚して、日本国籍を持つ子を一人で育てているお母さんが、母国に残してきた別の子を呼び寄せる、というケースです。
この「連れ子の呼び寄せ」は、子どもがまだ未成年で面倒をみてくれる大人が必要、という理由で呼び寄せるわけなので、子どもが大きくなっている場合は、使えません。未成年といっても、呼び寄せができるぎりぎりの年齢は、20歳ではなく、17〜18歳くらいとされています。
ところで、17歳なら呼び寄せ可能、とはいえ、呼び寄せることが本当にその子のためになるのか、疑問に思えるケースもあります。日本に呼び寄せて学校に行かせるとしても、多くの場合日本語はゼロからのスタートです。言葉ができなければ他の教科もわかりません。外国籍の子のための補習をしている学校もありますが、どこの学校でもやっているというわけではありません。母国でのカリキュラムの途中で日本に来てしまうと、授業についていけず、ドロップアウトする子も出てきます。母国でもう少し勉強すれば高卒の資格がとれたのに、日本に来て勉強がわからなくなってしまったので学業が中途半端になるのでは、子どもの将来にとってマイナスになってしまいます。
学校に行く意欲をなくして同国人の同じような境遇の子どもたち同士でつるんで遊んでいるために、ますます日本語の勉強の機会を失い、結局再び母国に帰ることにしたり、仲間うちでごく低年齢で結婚して破綻を招く、というような悲劇も耳にします。
親にしてみれば、長いこと会えなかった子と、なんとかして親子の絆を取り戻したい一心で呼び寄せるのだと思いますが、子どもにとってそれまでなじんでいた環境から離れて、言葉の通じない国にいきなり行く、ということは大きな負担です。はたから見れば、できれば呼び寄せは言葉を覚えるのも早く、人間関係もまだそれほど広くない小学校入学前にしてほしい、と思うのですが、それぞれの家庭の事情もあり、なかなかちょうどいい年齢で呼び寄せるのは難しいようです。子どもたちがこれから日本で一緒に暮らしていくのなら、せめて日本語だけは覚えられるように、と願わずにはいられません。 |