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「ハローフレンズ」 2010年6月号

入管法ひとくちノート(9)

「日本人の配偶者等」
結婚すれば日本にいられる?!

行政書士
藤林 美穂

 「日本人の配偶者等」、略して「日配(ニッパイ、ニチハイ)」の資格は、日本にいるために一番お手軽にとれる(?!)ビザ、と外国人には考えられています。就労を目的として在留資格をとる場合、それなりの学歴や職歴(を証明すること)が必要になりますが、結婚はそれまでの経歴は問わず婚姻届を出せば済む、というわけです。
 また、「日配」の場合、永住権をとるのも他の在留資格に比べて格段にスピーディです。永住許可は、通常は10年間日本に住んでいないと申請できませんが、日配なら日本に来て最短1年でとれる場合もあります(ただし海外生活を含めて夫婦の同居歴が3年以上あり、3年のビザ期間がとれていることが条件)。中には、永住権をとりたくて結婚したのか、と思いたくなるような人もいます。
 しかし、たしかに結婚するのは簡単かも知れませんが、結婚によってできる人間関係はビザのあるなしよりもずっと面倒な問題を引き起こすことがあります。実際に私が受ける相談の中でも、結婚をめぐる人間関係がトラブルの原因になっているものが圧倒的に多くなっています。たとえば夫からの暴力、離婚、そして嫁姑問題……。中には、一昔前の日本の「ヨメ」の立場をほうふつとさせるような姑のイジメにあっている人もいます。さらに今後は、高齢の夫の介護(日本人の夫が外国人妻より20歳以上年上、というケースがかなり多い)や相続が問題になってくることも予想されます。
 「日配」資格で日本に暮らす場合の問題は、結婚の破綻が日本での在留資格を失うことに直結してしまうことです。プライベートな夫婦関係が、日本に在留するための唯一の法的基盤となっているわけで、ある意味ではすべては日本人夫(妻)の気分次第でどうにでもなってしまう可能性があります。極端な場合、DVの一種ですが、日本人配偶者が、「入管に通報してやる」などと言って外国人配偶者を脅す場合すらあります(ただし離婚しても、日本人の子を養育している、などの理由が入管に認められれば「定住者」の資格に変更して日本に住み続けることができます)。たとえ夫から暴力を受けていても、離婚すればそれまでの日本での生活をすべて捨てて本国に帰るしか選択肢がない、となれば少々のことは我慢しよう、だからこそ一日も早く夫(妻)に左右されない永住資格をとりたい、と考えるのは当然なのかもしれません。


●筆者紹介
NGOで働いたり、フィリピン人支援団体でボランティアしたりした後、行政書士開業。毎日いろいろな国から来たいろいろな人の話を聞いて、「在日外国人」の多様性に、びっくりすることの連続です。
ライフ行政書士事務所

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